ブログ: 創業融資

行政書士になったミュージシャンのブログ

銀行は雨の日に傘を貸さない!?(1)

2015年 10月 02日

創業融資

傘ネコ

久しぶりの投稿になってしまいました。
ありがたいことに、9月は実に数十人のお客様と融資、補助金、会社設立、会計記帳と同時に複数件のやりとりをしていたため、てんやわんやでした。
これだけ忙しかったのは開業以来でございます。
本当に感謝です。

さて、今回は、お客様からもご相談頂いた内容なのですが、「起業時に融資を受けるべきかどうか」について解説してみたいと思います。

❚起業時の融資を受けるべき2つの理由

①リスクヘッジ

まず、前提として貯金にしても融資にしても、現金で使えるお金が手元にほとんどない状態で事業を始めることはお勧めしません。
事業を始めると必ずと言っていいほど予期せぬ出費が発生するからです。

そのため、事業を始めるときには必ず資金計画のシュミレーションをすることをお勧めしています。あくまで計画と言えばそれまでなのですが、数字に落とし込むと、頭の中だけで考えていたものが不思議と具体的になってきます。
売上がどれくらい上がる事業なのか、そして仕入れにかかる費用はいくらか、経費はいくらか、こういったことを落とし込んでいく作業をしてから事業を始めるのとそうではないのでは、リスクヘッジに大きな差が生まれます。リスクを予め想定しておけば、致命的な損害にならずに済んだ、なんてことは往々にしてありますよね。

目的はリスクヘッジですから、予測はバラ色にしてはいけません。
すると、今の貯蓄を考えるとほとんどギリギリで回る計画になるかも知れません。
このギリギリの計画で、もし予想外の出費が多額に発生場合、個人事業の方は「事業の財布=個人の財布」ですので、一気に破産してしまいます。
そうなる前に、誰からかお金を借りなくてはなりません。
しかし、そんな多額を貸してくれる人はなかなか見当たらないのではないでしょうか。

となると、向かう先は銀行です。

銀行に融資を打診します。
銀行は右肩下がりの事業成績を見て、「よし、貸してあげよう!」となるでしょうか。
「銀行は雨の日に傘を貸さない」と言われています。
つまり、業績がいい時には進んで貸してくれるのに、業績が悪くなって資金繰りに困ると途端に貸してくれなくなることを揶揄しています。
次回のブログでは「赤字だと融資は受けられないのか!?」について詳しく解説したいと思いますが、赤字での融資打診は圧倒的に不利だということだけはお伝えしておきます。

もうお気づきかも知れませんが、
実績が赤字にならない究極の「晴れ」のタイミングは、「創業時」です。

「借りられるときに借りておく」

これが、融資の鉄則であり、資金繰りをうまく回すコツでもあります。

ミニチュアお金

② 現金がメンタルの余裕になる

すぐに使える現金があるというのは経営に非常に有利に働きます。
仮に現金が来月の仕入れ分しか手元に無い場合、その仕入れ以上の利益は生まれません。
逆に自由に使える余剰資金があったらどうでしょう。

仕入れは通常通り行いながらも、更に宣伝広告に投資した場合、将来的には更に大きな売り上げを生むことができるかも知れません。
しかし私が個人的に更に大事だと思っているのは、万が一商品が売れなくてもその時点で倒産することがないという心の余裕です。
このメンタルの余裕は、想像以上に大きなものです。
当月がダメだった時も通帳を見て「あと半年はやっていけるな…」と思えるかどうかは、それを経験した経営者でないと分からない何とも言えない安堵感があります。
かくいう私も、開業時に日本政策金融公庫から新創業融資を自ら受けており、起業当初は何度通帳を見て安心したことでしょう(笑)。

冗談ではなく、然るべき時に然るべき出資や投資ができるというのは事業を拡大しながら回していく上で必要不可欠ですし、それを可能にさせるのが「いつでも使える現金」であるわけです。

❚まとめ

大きく上記に上げた理由から、私は起業時の融資をお勧めしています。

しかし、事業の規模にそぐわない金額を借りるのも考え物です。
借金はやはり借金ですので、返済が待っています。

先ほどの資金計画のシュミレーションを行って、いつ、いくらの返済が発生するのか、それを返せる利益が発生する見込みがあるのか、これらを慎重に考えてみる必要があると思います。


「ご利用は計画的に」


某ノンバンクのキャッチフレーズですが、
実に的を得たフレーズだと思うのは私だけでしょうか。


次回の(2)に続きます。
(2)では、「赤字だと融資は受けられないのか!?」について解説したいと思います。

副業としての起業でも融資が受けられます!

2015年 08月 13日

創業融資

芽

副業としての起業でも融資が受けられる!

実はこれ、まだまだ専門家の間でも浸透していない事実です。

本来、起業時の融資は「日本政策金融公庫の新創業融資」と「自治体や信用保証制度を利用した制度融資」の2つに限られていたのですが、この2つの制度では副業として融資は原則受けられません。

しかし、東京都でこの常識を覆す制度が始まりました。

それが、東京都の新しい融資制度である「女性・若者・シニア創業サポート事業」です。
なんとこの制度は、副業も認める趣旨なのです!

この情報は融資制度の中核的な機能でもある地域のアドバイザーから直接伺ったもので、実際の制度のHPやパンフレットには明記されていません。
よって全ての業種で副業が認められるかどうかについて保証するものではありませんのでご了承ください。
ただし、制度の申請要件である「地域の需要や雇用を支える事業」である必要はありますので、例えば単にアフィリエイトや投資、など制度の趣旨に合わない副業は認められないと考えるべきでしょう。
就業規則などで副業禁止規定がある場合も難しいかと思います。

どんなケースであれば認められるかは、ケースバイケースであると考えられますので、
ぜひ一度ご相談頂ければと思います。

●女性・若者・シニア創業サポート事業
http://cb-s.net/tokyosupport/index.html

❚専門家の役割

どの融資制度でも基本的に同じですが、最終的に融資を判断するのは信用金庫もしくは信用組合である銀行です。
例えば、日本一創業者への融資を実行している日本政策金融公庫は、創業融資の融資審査のノウハウがあります。
しかし、信用金庫や信用組合は実は、日本政策金融公庫や信用保証協会ほどの創業融資を審査するノウハウがありません
なぜなら今までは、日本政策金融公庫と並んで創業融資審査のノウハウがある信用保証協会に頼りっぱなしだった歴史があるからです。
残念ながらこの制度も中々銀行には浸透していないのが実状で、中には創業枠ではなくプロパー(通常融資枠)で審査しようとする銀行もあるなど、まだまだ創業融資の審査は苦手とする分野なのです。
しかし、創業融資の審査ノウハウがある公庫や保証協会ですらも、恐らく副業での融資などはこれまで実行したことはほとんどないはずです。

それだけ、この「女性・若者・シニア創業サポート事業」は風穴を開ける、革新的な制度と言えるでしょう。

握手アニメ

このような創業者と銀行がお互いに制度の革命期にある中では、お互い手さぐり状態になるのは仕方ありません。
そこで我々専門家は、中立な立場として、「金融機関的にはこう見るだろう」とか、「創業者的にはこういうことを言いたいのだろう」という、この両者の間を埋めていく役割を担っています。

起業は「起業すること」が目的ではありません。
起業して社会の一員として社会に貢献し、感謝されることで対価を得ていきます。
そしてそれは生活していく上で持続的でなければなりません。

我々は、融資を受けることだけを支援することなく、事業計画作りを通じて、経営の理念を今一度見つめなおしたり、将来の資金繰りも3年分作成して創業者と共に考えます。


全ては持続的な経営のために。


東京都で創業する方は本当に有利な融資制度です。
ぜひご活用を検討してください。
心からお勧めいたします。

会社設立時の融資の考え方

2015年 06月 12日

創業融資

貯金

先日、とあるお問合せを受けました。

「会社設立をして融資を受けたいのですが、金融機関に相談に行ったら会社設立前に融資はできないと言われましたが、どの金融機関でも同じでしょうか?」

この質問に対して考えたいことが2つあります。

まず、
「会社設立と融資はどちらが先か?」
2つ目は、
「会社設立に費用がかかるので自己資金が減ってしまい借入額も減ってしまう可能性があるのか?」
という2点です。

❚会社設立と融資申込はどちらが先?

まず会社設立と融資はどちらが先かということですが、こちらは一番創業者への融資のノウハウが充実していると言われている日本政策金融公庫のHPにも明記されています。

会社設立が前提での起業であれば、設立手続が先です。
設立後の融資申込になります。

さて、何故なのでしょう。

考えるサラリーマンi

会社設立にそもそも数十万の費用がかかるので、その費用を融資してほしいのに…。
自己資金が減って、予定よりも借入希望額を減らさなくてはいけない…。
と思われるかもしれません。

しかし、その融資された金額を会社設立の資本金に充ててしまったらどうでしょう。
銀行からの借入金はつまり「借金」です。
「借金」(負債)を資本金にするということは認められていません。

つまり金融機関は設立の資本金に充てられてしまうことを避けるために、先に会社を設立してから融資を実行するという流れになっています。
これはどの金融機関でも同じだということは、以上のことから明らかですね。

❚実際どうしたらいいの?

実務的に申し上げると借り入れの方法は2つあると考えます。

① 会社設立を前提にしない借入
当然、自己資金を十分に持った状態で借り入れをした方が、自己資金が少ない状態で申込みするよりも多額の借入ができる可能性が高まります。
介護事業など許認可取得のために会社設立が必須の業種もありますが、
個人事業として起業しても構わない業種であれば、「融資を申込みするときに会社設立をする」と窓口で言わないことも融資金額を少しでも伸ばすテクニックの一つです。

② 会社設立は行い、運転資金を多めに見積もる。
払ってしまった金額分を運転資金の借入で取り戻す、という考え方です。
これだけ費用がかかったので、資金繰りがこう厳しくなる。よって運転資金がこれくらい必要。
ということを資金繰り表を使って根拠を持って示し、必要な金額をアピールします。

法定費用を除く設立費用が自己資金として認められた場合でも、
設立前との自己資金の差は十数万の違いです。
もちろん借入希望金額にもよりますが、この自己資金の違いによる融資申込額を気にするよりも、事業計画書や資金使途、資金繰りの根拠をしっかり示してこの金額が必要だとアピールすることが大事だと私は考えています。

日本政策金融公庫の創業融資が過去10年で最高の実績と発表

2015年 06月 05日

創業融資

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❚女性・シニアは特に有利な状況

日本政策金融公庫が平成26年度の「創業融資が企業数・金額ともに3年連続で大きく増加。過去10年で最高の実績」だったと発表しました。

特に「女性」「シニア」「若者」への融資についても約10,000企業と前年比114%増加したとのことです。
その中でも女性層への融資は5,000企業で前年比が110%を超えています。
また、シニア層 への融資も 3,000企業を超えているということで、
その伸び率は目を見張るものがあります。


 (平成27年5月20日 公庫ニュースリリースより)

公庫HPで公開されているこの表を見ても、相当数増えているのは明らかですね。

❚日本政策金融公庫の新制度の紹介も

さて、文書の中で、地方創生の補正予算で拡充した新制度である「創業支援貸付利率特例制度」も活用していくと書かれています。

この「創業支援貸付利率特例制度」は創業する方の負担軽減を図るため利率を引き下げる制度で、女性、若者、Uターン等により地方で創業される方には更に利率を低減するもので、従来の同銀行の融資制度である「新規開業資金」「女性・若者・シニア起業家資金」などの特定の融資制度と組み合わせて利用すると、同融資制度の利率が0.2~0.3%下がるというものです。

利用の要件としては、創業する方もしくは創業してから1年未満の方に限られます。

日本政策金融公庫の「新規開業資金」は1.9%(5年の場合)ですので、「創業支援貸付利率特例制度」を併用すれば1.6%まで下がるということなのでしょう。
(ちなみに、創業者に一番利用されている「新創業融資制度」は「新規開業資金」の中の一つの制度という位置づけです。)

●創業支援貸付利率特例制度
http://www.jfc.go.jp/n/finance/search/soutoku.html

●新規開業資金
http://www.jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaig...


❚果たして実際は…。

公庫のHPを見ると「創業支援貸付利率特例制度」の利用条件として”東京23区に居住または勤務している方については、東京23区を除く都市で創業する場合も含まれます。 ”とされています。

「金利の0.3%くらいなんてことないよ…。」

と思われる方もいるかも知れませんが、借入額が大きければ何十万という額の差が出る可能性もありますので、金利は注意深く見たいものです。

もし、条件に当てはまる創業をされる方がいれば、こんこ新制度もぜひ検討したいものですが、実際のところ、東京23区に住んでいる方が23区以外で起業するケースがそれほどあるのかというと、分かりません。。
地方創生の一環としての制度で、政府の銀行である公庫としても時流に乗った支援をしてくるのは当然のことですが、金利だけを気にするのであれば市区町村が実施する「制度融資」や、東京都の施策である「女性・若者・シニア創業サポート事業」などと検討をしながら決めていきたいものです。


しかしながら、平成26年度の実績として企業数・金額ともに過去10年で最高の実績だったということは、起業家にとっては非常にプラスの要因であることは間違いありません。
地方創世、アベノミクスの時流から、補助金を含め起業者向けの施策が沢山出ていますしね。

上手く時流にのって資金調達をしていきたいものですね。


●日本政策金融公庫ニュース
創業融資が過去10年で最高の実績 ~企業数・金額ともに、3年連続で大きく増加~
https://www.jfc.go.jp/n/release/pdf/topics_150520a...

お客様の人生の岐路に立ち会うということ

2015年 05月 13日

創業融資

❚お客様がライブハウスをオープンされました。


昨年の11月。
事務所開業直後、名刺をデザインしてくれたデザイナーの友人の紹介でご縁を頂いた初めてのお客様は北区の赤羽に「enab」という居酒屋を営む店長さんでした。
居酒屋の事業も初めて11月の時点で半年ほどでしたが、居酒屋の下の物件にたまたま空きが出たため、かねてより夢であった「ライブハウス兼バー」を作りたいということでした。
しかし、半年前の創業時に貯蓄はほぼ使い果たしてしまっているので、ライブハウスの設備を整える資金まではなかったのです。
しかし自身の経営する居酒屋に下のライブハウスを作るというチャンスを逸したくなく、
先にテナントに入られてしまう前になんとか着手したいので、銀行から融資を受けるためのサポートをしてほしいという依頼でした。

弊所では、融資制度選定から、事業計画書作成支援、資金繰り表作成支援を行わせて頂きました。

山あり谷ありで一筋縄に行かないこともありましたが、ついに昨年末、沢山の方のご協力の元、2ヶ月の長い期間を経て希望通りの満額融資を受けることに成功し、5/9に晴れてライブハウスをオープンされました。


豪華なアーティストを呼ばれチケットはソールドアウトという華やかなスタートでした。
その時ご本人が一番感じらたれたでしょうが、ライブハウスでお客さんが楽しんでいる姿はなんとも言えない感慨深いものがありました。
お客様の人生の大事な挑戦に、少しでも力になれたという充実感を感じると同時に、ライブハウスの融資支援という、なんとも自分らしい初仕事のご縁に心から感謝しています。

赤羽の新しいライブハウス「MUSIC & BAR enab」

上の階ではおいしい串焼きを楽しみ、
下の階では音楽を身近に感じながらおいしいお酒を楽しめます。
みなさん、ぜひ飲みに、遊びに行ってみてください!


●enab(居酒屋)
http://tabelog.com/tokyo/A1323/A132305/13176681/




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